Tourism passport web magazine

学校法人 大阪観光大学

〒590-0493
大阪府泉南郡熊取町
大久保南5-3-1

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大阪観光大の学生や教員が運営する WEBマガジン「passport」

Osaka University of Tourism’s
Web magazine”passport”

「passport(パスポート)」は、観光や外国語、国際ニュースなどをテーマに、 大阪観光大学がお届けするWEBマガジンです。
記事を書いているのは大阪観光大学の現役の教授や学生たち。 大学の情報はもちろん、観光業界や外国語に興味のある方にも楽しんでいただける記事を定期的に公開していきます。

エネルギー政策を考える

2011年3月11日の福島原子力発電所事故以後、世界的に原子力発電に対する関心が非常に高まっている。政府?市民?環境団体など数多くのところでなされている議論は、事故の影響が深刻化する中で、脱原子力発電所政策にまで言及されている。それでは、現在の原子力発電の必要性はどの程度なのか、エネルギーに関する我が国韓国の現状はどのような位置にあるのかを知っておくことが重要であろう。

我が国韓国は、エネルギー自立度の面で非常に弱く、エネルギー海外依存度が90%を越えている。地理的条件上、化石燃料も少なく、風力?太陽光などの再生エネルギーを使うには狭い上に、非常に高い人口密度や産業化都市インフラ密度に耐えようとするなら、脱原子力発電を推進するにはまた他の補助電力インフラが構築されなければならないという限界にもぶつかる。
したがって、他の国々と比較してみれば、原子力発電により依存しなければならない現実を、まず認めなければならない。実際に、韓国の原子力発電比重は34%に達している。化石燃料に替わる主なエネルギー源としては、現存する唯一の手段であると言えよう。

果たして、原子力発電とは「強盗の手にある刃物なのか?そうではなく、名医の手の刃物なのか」。核爆弾が強盗の手にある刃物であるならば、原子力発電は名医の手の刃物に比喩されるべきではないだろうか?
刃物が使い道によって人間に害になるように、原子力もまた、核爆弾として私たち人類の災難となることもある。だが、化石燃料に比べて効率的な無公害清浄エネルギーである原子力発電は、うまく活用することができるならば、人類にとってはなお希望の光であることを確信する。

原子力を利用したエネルギーの生産は、現時点で我が国が置かれている状況からすれば、経済的に最も効率的な選択であると言えるだろう。
しかし、現実に事故が発生したときには、その被害の規模と波及効果がいかに大きいかという点は、3?11の福島原発事故が「反面教師」として捉えられなければならない。安全が最優先され、国民の不安感を回復されることが前提になるべきことであるし、原子力発電所における作業従事者らの努力と政府の信頼とを土台にした対国民広報が切実である。また、私たちが一段と成熟した冷徹な判断力を発揮することが要求されているのだと考えられる。

福島の原子力発電所爆発事故を目の当たりにしている現在でもなお、原子力技術は、恐れる対象でなく私たちの未来をより一層安全で平和に導くエネルギーの根源として位置づけられるべきである。
ただし、これを扱う方法が政治的にあるいは商業的に歪められ、最も関心を傾けなければならない安全と効率性に対して疎かになれば、私たちが夢見る平和な未来はすぐさま放射能とともに汚染されて立ち行かなくなるだろうことを、いま私たちは現実として見ているのである。

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