Tourism passport web magazine

学校法人 大阪観光大学

〒590-0493
大阪府泉南郡熊取町
大久保南5-3-1

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大阪観光大の学生や教員が運営する WEBマガジン「passport」

Osaka University of Tourism’s
Web magazine”passport”

「passport(パスポート)」は、観光や外国語、国際的な話題を切り口に、大阪観光大学の学びや取り組み、その魅力を発信するWEBマガジンです。
本学教員による記事を中心に、大学の特色や観光分野に関する知見、国際社会とつながる視点をわかりやすく紹介しています。
観光業界や外国語、188体育に関心のある方にとって参考となる内容をお届けしていきます。

災害時における在留外国人の二重の脆弱性の克服と技能予備自衛官の活用

3月11日は東日本大震災の発災の日である。忘れることはできない。
そしてわたしたちは次の災害に備えなければならない。災害の発災は起きるか起きないかの問題ではなく時間の問題である。
現在我が国には400万人以上の在留外国人が滞在している。これらの在留外国人も必ず災害に巻き込まれる。備えは十分だろうか。
この点、令和7年10月11日に関西学院大学で行われた日本災害復興学会においては災害時の外国人住民の二重の脆弱性などが議論された。


関西学院大学羅貞一准教授による研究発表(筆者撮影)

研究発表の内容は、発表者の資料に譲るとして、本コラムでは筆者が考える災害時における技能予備自衛官の活用による課題の克服方法を提案する。
ここで技能予備自衛官とは一般予備自衛官と区別して特殊な技能を持つ者として予備自衛官に採用される者をいう。特殊な技能には、医学、看護学、法学、工学(施設)、通信、語学、ご遺体化粧などが含まれる。とりわけ、医師、看護師については、すでに災害派遣の場で常連として貢献中であり、能登半島地震では工学(施設)技能予備自衛官が貢献したという。
ところで、それだけで、現代日本の災害対応として十分だろうか。冒頭述べた通り現在400万人以上の在留外国人がおり、彼らへの対応が必要と考えられ、まず活用可能と考えられるのが語学技能予備自衛官である。災害時に語学技能予備自衛官が貢献することにより、困っている在留外国人に速やかに安心感を与えることができるし、防犯にも役立つし、国際社会への発信にも貢献できる。ぜひ導入すべきである。
次に現在欠けていると考えられるのは、罹災証明書発行申請支援である。これは日本人と在留外国人両方にかかる。この点、現在の法学系の予備自衛官は、弁護士と司法書士のみであり、主に国際法が問題となる場面での貢献が想定されており、罹災証明書発行申請支援が想定されていない。本コラムは、これらに加えて罹災証明書発行申請支援の専門職である行政書士を新たに技能予備自衛官に准陸尉として加えることを提案する。准陸尉は、英語で言うとWarrant Officerであり、語感として相当である。
本コラムで論じたことは災害が起きれば直ちに意識されることである。ぜひ備えておきたいものである。

文責:身玉山 宗三郎 教授 (法学?総合政策学?日本災害復興学会会員)
大阪観光大学憲章 I, IV, VII.

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